小原美山という画家
かつて三隅村澤江上ヶに「小原美山」という肖像画専門の画家?がいた。 これは三隅村に初めて鉄道がやってきて「長門三隅駅」が開業(大正13年11月3日)した記念に三隅村が発行した「三隅志要」という小冊子の広告ページの抜粋で、以前から気になっていた画家?で出来得るならばその作品を見てみたいと思っていた。 それが叶ったのが古民家「東方の家」の蔵の中。 刻印の日付と「美山」というサインからして間違いないと思われる。願いが叶った瞬間だ。 当時の日付の干支は立春の前後で変わるので2月4日(大正11年の立春)以降に画かれたことになる。 画かれた人物はたぶん桑原仁作さんの若かりし頃で、公職選挙法が施行されて初めての三隅町長(3代目)に就任された方だ。(昭和22年4月~26年3月)因みに町制施行は昭和17年11月3日の事で初代町長は白藤董(しらふじただす)、2代目は木村平次(きむらへいじ)と続く。 この人物画が書かれた2年後に三隅村に鉄道が敷設され11月3日(明治節)に長門三隅駅が開業に漕ぎ着けている。 この写真で一番興味深かったものが鉄道の三隅川橋梁を支えている立派な橋脚が写っていたことだ。長門三隅駅が美禰線の終着駅として開業した時にはすでに萩方面に向けて鉄道の敷設が進んでいたわけで翌年の大正14年には三見駅と萩駅が開業している。今年が100年のアニバーサリーイヤーだ。 一枚の人物画から飛躍しすぎた話になってしまったが色々のことが頭を過る。