分水嶺のこと
長門市、美祢市そして山口市の山歩きをしていて「水域」のことで不思議に思うことがよくある。 何かというと、この谷や沢の「水」は何処に流れ行くのか?という疑問だ。例えば桂木山(標高701.6m)を美東町保ヶ原から登ると三隅川の源流を遡り、秋芳町白糸の滝から登ると厚東川の源流を遡る。当たり前のことだが何を基準に日本海側と瀬戸内海側に流れ出すのか、という疑問だ。 降った雨水がそれぞれ違った水域に流れ出す境を「分水嶺」というが自分は偶々この分水嶺に沿った日本海側に居住している。もっと言うならば生活圏から分水嶺、つまり「中央分水嶺」を眺められる。 この「 中央分水嶺 」というのは北は青森県十和田市の駒ヶ峯(十和田湖の北側)に始まり、本州においては長門市俵山の砂利ヶ峠近辺まで連なる。 山口市辺りから西へ中央分水嶺を線引きすると・・・ 板堂峠ー東鳳翩山ー地蔵峠ー西鳳翩山ー雲雀峠ー鯨ヶ岳ー山中峠ー桂木山ー大平峠ー権現山ー大水峠ー天井山ー大滝ー荒ヶ峠ー花尾山ー大ヶ峠ー大寧寺峠ー大笹山ー砂利ヶ峠、といった山脈になる。 久原山山頂より-1 久原山山頂より-2 久原山山頂から三隅地区の中央分水嶺の稜線が見渡せる。この稜線の向う側に降った雨は瀬戸内海に流れ出す。県央部ではなく県北部に分水界があるわけだ。地形の成り立ちに要因があるのであろうが太古よりの悠久の時の流れを感じる。