冷たい雨の日の長門市駅

真冬に冷たい雨が降ると時々思い出す風景がある。

中学3年生だった頃に友人と汽車に乗って小倉まで行って、帰りに贅沢にも急行列車(確か「さんべ号」だったと思う)で美祢線経由で帰ってきたときのこと。

小倉駅では4両編成だったこの急行列車が厚狭駅で前2両、後2両に分かれて美祢線経由と小郡駅からの山口線経由に分かれて運行されている時代があって、どちらの2両に乗っていたか覚えていないが山口線経由に乗っていて、車内放送にびっくりして切り離し直前に慌てて乗り換えたことがあった。
そして長門市駅についたときのことを思い出す。
2008年02月04日撮影-1
 未だ長門三隅に着いていないのに九州から無事に帰ってきた安堵感に包まれた中でみた長門市駅東側構内の風景が目に焼き付いている。
(今よりもっと広々としていた。)

2008年02月04日撮影-2
ところでこの駅構内の土壌(軌道)が、油やばい煙又は鉄粉にまみれて真っ黒なのだが大雪が降ると白化粧に変わる。
そこに列車が通るとレールが現れ、美しい幾何学的な模様が描かれる。
そして分岐器(ポイント)にはカンテラの火が灯される。
今の時代にはほぼ見かけなくなったが、分岐器の軌条に雪が挟まってトングレールが動かなくなり、進路構成が出来なくなるためポイント部の枕木の間に「カンテラ」という灯油ランタンを取り付けて駅員が融雪のために点火して歩く風景があった。
今はほとんどが電気融雪機であろうが、雪の積もった駅構内から小さな炎があちらこちらで上がって黒い煙が昇っていく、という風景は結構すてきで美しくも見えた。吹雪の時は大変だが雪景色の早朝などに大構内の駅に点々と灯されるカンテラはある意味風物詩であった。
もう見ることは出来ないであろう。

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