大正13年の三隅村のこと~その6

今回はその他のとっても興味深い広告をアップしておく。

篠原自転車商会
グロリア號やヘラルド號などの名前がカッコいい自転車?の代理店らしい。住所が山口県長門三隅駅前となっているから今の「しのはら商会」さんだと思う。



防長銀行三隅出張所
住所が「市(いち)」となっているから今の山口銀行(旧・百十国立銀行)とは違う銀行のようで本店が「萩町」と書かれているから防長交通(防長バス)と何かの関係があるかもしれない。
市のどこら辺りに在ったかが興味の対象だ。
祝開通」というのが美禰線が長門三隅驛まで延びて来た、という意味合いだ。


野波瀬浦漁協と川崎商店
「野波瀬浦漁協」は今回置いておき、「浅田尻」と書かれている住所に注目が行った。どこら辺だろうか?「河崎さん」ではなく「川崎さん」というのがヒントになるかもしれない。



早田商会
「ライオン號」や「ナイチンゲール號」という自転車は聞いたことがある。エンブレムも恰好が良い。



村岡本店と支店
こちらも本店住所が「浅田尻」となっている。長門三隅驛の開業に合わせて支店を開いた感じだ。



石村喜楽園
「毎早朝の一合の牛乳は眞に血を増し肉を増す
如何なる沿革の地も早朝配達致します」
という説明書き(信条)がカッコいいし気合が入っている。
住所は「浅田」となっている。



小原美山
私が一番気になった広告がこの「肖像画専門 小山美山」という広告なのだが澤江上ゲに肖像画を画かれる画家?がいらっしゃったことにびっくり。


杉山仙壽堂
「明峯寺飴」という飴があったことは何かの資料(「三隅町の歴史と民俗」だったか?)で知ったが門前に「杉山仙壽堂」という本舗があったことは興味深い。



原田彌吉商店と吉見醤油
宗頭と市の醤油の醸造元だ。「ハラ田」というロゴもハイカラだ。

このような貴重な資料から当時の様子や気配を感じ取ることができるのだが、歴史の中で年表と照らし合わせると色々な想像が駆け巡る。


【後記】
大正13年のこの頃に東京にある原宿駅が今の場所に移転している。
(元々は明治時代に建造され、今より少し南側に在ったらしい。)
今の原宿駅はJRでは都内最古の木造駅舎で大正ロマンを感じさせるすばらしいものなのだが経年による耐久性の問題と2020東京オリンピックに向けての改良?でもうすぐ新しく建て替わるようだ。
2013年08月24日撮影
これまで数々の修復を経て今の姿を保ってきたが大正時代の建造物はとてもきれいで風情のあるものだ。
東京駅も明治後期から大正3年にかけて建てられた駅舎だ。いつか東京駅舎のことをここに残しておきたいと思っている。




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